根のある暮し3 『山村の恩師』

疎開した福井の山村は 父のふる里でした。

孫の帰郷は村中に知れ渡り とても可愛がられました。

学校で 生涯の先生に出会いました。

「坊の父さんは よう出来た子じゃった」

と言われ びっくりしました。

叱られたとき 私の頭を両手ではさみ込み

「しょうももえもない坊や~!」

と叫びながら 頭を先生の大きな胸にぼんぼんとぶつけるのです。

ようやく止んだので見上げると 先生の目に涙が光っていました。

ほめられたとき

「先生が孔子なら 竹田は顔回や!」

と授業中に叫ばれました。

孔子の大好きな先生からのことばで 私は顔回が大好きになりました。

卒業のとき 勉強しない私に『オール優』の びっくりする通信簿を下さり

生涯の勇氣を贈って下さいました。

「村はずれの藤村碑にあいさつすると

 ぐらぐら動いて 喜んで下さるのじゃ」

と本氣で話された 先生からいただいた感動の数々。

今 私の心根から 貯徳満萬の芽を吹出させています。

「根のある感動こそ教育だよ」

天から先生が ささやいています。

たくさんの感動 先生ありがとう。