根のある暮し4 『自然の感動』

先祖の眠る山村は 私も過去世で暮したのかもと思わせる

懐かしみのある天地でした。

春の山肌は 杉の枯葉をお尻に敷いて

すべり下りる快感で夢中にさせ 温かく包んでくれました。

そして水々しく芽吹く 可愛い山菜や野イチゴを摘ませ

新鮮な山の息吹きを 味わせてくれました。

緑の中を縫う清流は 小魚を手づかみにするスリルや

あふれるように光り舞うホタルで 歓喜させてくれました。

紅葉の山中に分け入り 長芋のつるから根を探り

掘り下げてゆくドキドキは格別でした。

そして 甘~いあけびの実を発見したときの歓声は

山にこだましました。

雪国の冬は 囲炉裏の季節でした。

雪に凍えた手足を 囲炉裏の火は蘇らせてくれました。

雪に冷えた体を 熱い雑炊や甘酒で温めてくれました。

訪れたり 訪れられたり お付き合いの喜びを

囲炉裏の火は照らしてくれました。

スキーで雪の山野を駆ける冒険は わくわくドキドキでした。

雪の間を流れる清流に見た ねこやなぎのふくらみは

生涯の自然への道しるべとなりました。

根のある暮しは 自然に感動する暮しです。

風流をありがとう。